

近代建築家の巨匠、前川國男が設計を手がけた『熊本県立劇場』。
1982年の開館以来、芸術文化の発信地として愛され利用されてきた。
楽器の音を最大限に引き出すためにコンサートホールは「教会の中のように音が残響し、ふくよかな響きになるよう、壁や天井の形状、傾斜に綿密な計算」を施されているという。
オーケストラ公演で訪れた世界的なピアニストで、指揮者のミハイル・プレトニョフは、当ホールのクオリティーに感動し、公演を終えしばらくの間ホールに立ち尽くしていたそうだ。
「役者の表情がよく見える」ように設計された演劇ホールは、舞台ステージの奥行を長くすることで、演出家の意図を最大限に生かした上演が可能だ。
高い天井やコンクリート打ち放しの壁や柱、シャンデリアや美しい煌びやかな照明など、モダニズム建築としての「前川建築」は、劇場内外で見て触れて感じることができる。
壁面や手すりに見られる矢羽根のコンクリート模様は、その特徴の一つだ。
コンクリートに施された温かみのある模様は見る者に豊かな気持ちを与え、劇場という非日常としてのハレの場を演出。
上質な芸術作品を生かす崇高な建物。観客と演者の一体感を高め、ここでしか味わえない感動を私たちに伝えてくれる。

熊本県立劇場/熊本市中央区大江2丁目7番1号
TEL096-363-2233 http://www.kengeki.or.jp
